ゆうくんのバイトが休みの日のこと。
夕飯の買い物に、2人で近くのスーパーまで歩いて行った。
新学期が始まるまでもう1週間切ってしまった。
と、言うことは……ゆうくん家のお泊まりは終わってしまうわけで。
顔を上げると、いつのまにかうろこ雲が広がってて、遠くの方でひぐらしの鳴き声も聞こえる。
それがなんだか切なさを増して。
「早かったなぁ」
なんて呟いてみたら、
「そうだね」
って聞こえて。
“早かった”だけでわかるなんて、ゆうくんも同じことを考えてたのかなって思ってしまう。
「ふふ」
「ん?どうした?」
「やっぱりゆうくんエスパーだなぁって思って」
「ハハッ、何それ」
私が笑うとゆうくんも笑って。
ただそれだけなのにこの瞬間が幸せだなぁって感じる。