もう満足。

そう伝えたくて、両手でゆうくんの頬に触れた私はえへへと笑った。


そしたらゆうくんは力強く私を抱きしめて。


「ゆう、くん……?」

「アツミとのこと、ほんとごめん。そんな気が無かったとしても不謹慎過ぎたよな」


顔が見えないけど、ゆうくんきっと悲しい顔してる気がする。


「ううん。もう大丈夫。ゆうくんいっぱい好きって言ってくれたんだもん」

「ほんとに?」

「うん」


そう返事をしたのに鼻をギュッと摘まれて。


「嘘つき」

なんて言われた。


「間があった。大丈夫じゃないのに大丈夫って言うの禁止な」

「……うっ」


どうやらゆうくんにはバレてるようで。



「何?聞くから、ちゃんと言って」


真っ直ぐ見つめられれば、逃げられなくなる。