「でもさ、彼女の目の前で他の女と仲良くするのもどーかと思うよ?」
「別に普通に話してるだけだろ」
「そうかもしれないけどさ〜そこは気を使って欲しいって言うか……」
2人のやり取りを、ただただ聞くだけで。
俯いたまま私は何も言えなかった。
「陽葵のことだから、どーせ避けたりしてんだろ?」
急に話を振られてビクッと肩が上がる。
ほんと、光瑠くんには隠し事が出来ない。
小さく頷くと、大きなため息が聞こえた。
「それ、典型的な別れるパターンのやつな」
「……え!」
「お互いすれ違って終わるやつ」
別れるなんて……
すれ違うなんて……
「やだ……!」
別れることなんて考えてなくて、気付けば涙が1粒溢れていた。