* * *
リビングに続く廊下を歩いてると、キッチンからゆうくんが顔を覗かせた。
「っ!」
タイミング良すぎてびっくりした。
私が戻ってくるのわかってたのかな……?
「陽葵の分そこに置いてるよ」
「うん、ありがと」
言われた通りテーブルの上を見てみると、目玉焼きが乗った食パンが2つ並べて置いてあった。
「わぁ……」
美味しそう。
半熟だぁ。
キッチンの方に視線を移せば、ゆうくん何か探しているのか食器棚を開けたりしている。
そんなゆうくんの背中に向かって声をかけた。
「何探してるの?」
「んー?」
だけど、返ってきたのは空返事で。
ほんの数秒、ゆうくんからの返事を待ってたけど、懲りずに別の話題を投げかけた。
「いつもこれ作ってるの?」
「たまーに。時間があるときだけ」
時間があるときって……寝坊しなかったとき、とか?
時間が無いときは何食べてるんだろ。
なんて考えてると、ゆうくんの寝癖を見つけてしまった。