「やっ……!」
プイッとそっぽを向く。
たとえゆうくんが浮気してたとしても、仕返しみたいなやり方……絶対に嫌。
仕返しじゃなくても絶対嫌。
もし逆だったら、そんなことされても嬉しくないもん。
「ね、とりあえず連絡先交換しよーよ」
そう言った茶髪の店員さんは仕事中だというのにポケットからスマホを取り出した。
テーブルの上に置いていた私のスマホを守るように握りしめる。
「そんな頑なにならなくても」
そう言いながらでも茶髪の店員さんは笑っていて。
やだやだ。絶対やだ。
ギュッとスマホを握りしめる力を強くする。
「セクハラっすよ」
その声に顔を上げると、ゆうくんがいて。
安心したのか、一気にブワッと涙が出てきた。
「なんだよ〜邪魔すんなよ髙橋」