「もう大丈夫?」
「……え?」
「トイレ探してる時、すっごい泣きそうな顔してた。喧嘩?」
嘘……めちゃめちゃバレてる。
だから蓮くんにもバレちゃったのかな……?
「その相手って男?」
「……」
「仲直りは?」
「……」
仲直り、って言うか……一方的に私が不安になってるだけで。
喧嘩してるわけじゃない。
「その様子じゃ解決してないみたいだね」
チラッと視線だけ上げると、茶髪の店員さんはニッコリ笑ってて。
……なんか、やだな。この人。
ちょっと怖い。
“電話に出て”とか思ってたけど、蓮くん早く帰ってきてっ……!
「ねぇ、そんなに悩んでるなら俺と遊ぼうよ?」
「え……」
あそ、ぶ……?
「俺のこと、都合よく使っていいよ。寂しくなったら俺のところに来なよ。慰めてあげるからさ」
ドクンと大きく脈を打つ。