テーブルの上に置いていた蓮くんのスマホがブーブーと振動する。
裏返しにしていたスマホを少しだけひっくり返した蓮くんは、たぶん誰からの着信か確認したんだと思う。
だけど、出ることもなく再びスマホを裏返しにした。
え……。
「で、出ないの?」
「ん?あぁ。良いんだよ別に。対した用でも無いと思うし」
「で、でも……」
さっきからずっと鳴りっぱなしだし……。
「陽葵ちゃんが気にすることないよ」
そう言った瞬間蓮くんのスマホが静かになった。
「今は陽葵ちゃんとデートなんだから、ね?」
ニッコリ笑った蓮くんは、冗談で言ってるのか本当にわからない。
すぐそーやってからかうんだから!
っもう!
「デートじゃないもんっ」
わざとらしくプクッと頬を膨らませて、拗ねたフリをしてみる。