「大きなお世話だったかな」

「……え?」

「泣いてた?」


いつものおちゃらけた蓮くんはどこにもいなくて。
真っ直ぐ私を見つめる蓮くんに、思わず視線を逸らした。


……バレて、る。



「ごめんね、陽葵ちゃん」


その言葉に胸がギュッと締め付けられる。

このお店に来て、蓮くんに2度も謝られた。



ほら……、ほらね……。


やっぱり私、悪い子。


「ち、違うの。蓮くんは悪くなくて……」

言いにくくて……ギュッとスカートの裾を握る。


だけど、言わなきゃ蓮くんが……謝っちゃう、から。


「私が勝手に不安になって……」

「アツミちゃんのこと?」


蓮くんの言葉に小さく頷いた。


「ゆうくんから、元カノの話は聞いてたの。前に。だから大丈夫って思ったんだけど……」