だけど……撫でてくれたこととか、笑ってくれたことが嬉しくて、キュンとしちゃって。
……甘えちゃえ。
なんて大胆なことを考えちゃって。
えいっとゆうくんとの距離を一気に縮めた。
大きなゆうくんの背中。
広い背中に男の人なんだと意識させられて、またドキドキする。
そっとその背中に触れる。
服の上から指を滑らせて、気付けば“すき”と背中に書いていた。
その瞬間、ゆうくんが振り返って。
ビックリした私は思わず手を引っ込める。
ゆうくんは半分まで振り返ったところで体制を元に戻した。
……たぶん、私が近付きすぎてるせい。
「祐介、何してんの?」
「あ、いや……陽葵が思ったより近くて後ろ向けなかった」
「は?近いとかズルくね?」
「うるさい。静かにしろ」