「……」


ピッタリくっついてる訳じゃないのに、

距離だってあるのに、


ドキドキしてしまって。




ゆうくんの隣で寝るのは初めてじゃない。

雷が鳴った日に、私のわがままを聞いてくれて隣で寝てくれた。



だけど近くにゆうくんがいると思うと、ドキドキしてる気持ちに負けないくらい嬉しくて。


布団を上に上げて、気を抜いたらニヤけてしまいそうな口元を隠す。



「そー言えば陽葵ちゃんって祐介のバイト先に行ったことある?」

「……」

「……」

「……?」


無言になった空間にハッとする。

もしかして……私に話しかけてた??


1人で喜んで、ドキドキしつつもこの距離感を楽しんでたから全然話聞いてなかった。

……どうしよう……やってしまった。



ゆうくんに助けを求めようと横顔を見つめる。