「俺も、陽葵には笑っててほしいから」

スッと手を離したゆうくん。


ゆうくんが笑って、私も掴む理由が無くなったから……手をゆっくり離した。



「何してんだろーな。俺ら」

「ふふ、ほんとだね」


お互い頬を掴むなんて。

側からみたら変なの。



「てか、今更だけど恥ず……」

「先にやったのゆうくんだよ?」

「陽葵が真似するからだろ」

「あ!私のせいにした〜」


逃げるようにソファの方に行ったゆうくんを追いかけて、私も隣に座る。



「ゆうくんお風呂入らないの?」

「ん?ああ、そろそろドラマ始まるし。それ見終わってから」

チラッと視線を動かした先を辿ると、10時前だった。


「私も見よーっと」

「眠くないの?」

「うん!このドラマいつも見てるもん」


なんて言うのは嘘で、ドラマは録画したままでまだ見てない。