「どっか行く予定だった?」
「あぁ」
「あー、悪いことしたね。なんなら今から3人で行く?」
なんて笑いながら言う蓮くんはノリノリで。
全く冗談には聞こえない。
「陽葵と2人で行くからいい。それにお菓子1つじゃお詫びにならないよ」
「1つじゃなくて1袋だから……!そこ違うから!!」
2人のやり取りを見てると、蓮くんが急に前を向き直した。
それにまたビックリして。
「ほら、陽葵ちゃん。祐介もああ言ってるんだし、そのお菓子はもう陽葵ちゃんの物だよ」
「貰っときな、陽葵。後で追加で買ってもらおう」
「え、」
ゆうくんの目が笑ってない気もするけど、いいって言ってるから……。
さっきより不機嫌じゃないから……。
もらっちゃう……!
「えへへ。ありがとう蓮くん」
溶けないようにとパタパタ走って、私は冷蔵庫の中にチョコレートを入れた。
「あー、やっぱ可愛い」