ジトーッと眉間にシワを寄せて、蓮くんを見るゆうくん。
わぁ……ご機嫌斜め?
もらっちゃダメなのかな……?
お菓子の袋を見つめたまま握りしめると、ガサッと袋が擦れる音がした。
「陽葵、貰っときな」
「いいの?」
「そんなしょんぼりした顔してたら祐介もそう言うでしょ〜」
「へ……!?」
美味しそうだな。食べたいな。いいな。
とは思ってたけど、まさか顔に出てたなんて……これじゃあ、まるで食いしん坊だ。
恥ずかしすぎる。
「訳あって姉貴が俺ん家に泊まらしてくれって言ったんだ。あのうるさい姉貴と一緒とか御免だから、祐介の家に逃げてきた」
あはは〜と、のんきに笑う蓮くんはやっぱり私と違って。
壁を作らなくて親しみやすい。
「だからコレは邪魔したお詫び」
蓮くんはお菓子の袋を指してニコッと笑い、後ろを振り返った。