* * *


「ラッキー♪陽葵ちゃんいるじゃん」


ゆうくんと一緒にリビングに入ってきた蓮くんは、大きなリュックを背負っていた。



「久しぶり。俺のこと覚えてる?」


明るい茶髪に、ゆうくんと同じくらいの高身長。
人見知りの私と違ってフレンドリーな蓮くんは、あの時と変わってない。

ちょっと距離が近い時もあるけど……。



服の裾を握ったまま私はウンウンと何度も頷く。



「人見知りしてるか〜。でも覚えてるだけマシだな」


ニコニコとリュックを下ろす蓮くんの後ろで、不機嫌そうな声を出すゆうくん。

「ラッキーじゃない。陽葵に感謝しろよ」


あ、あれ……?

蓮くん歓迎されてない??


「え〜マジ?そんな陽葵ちゃんにお土産でーす」

まるでゆうくんの話なんて耳に入ってないようなハイテンションな声で、バタバタと私のもとへ走ってきた蓮くん。