「ダメッ……!風邪、移っちゃう」
「陽葵の風邪ならいくらでも貰ってあげる」
そう言って真っ直ぐ私を見つめるゆうくんにドキドキして、冗談で言ってるんじゃないんだと理解する。
だったら、尚更ダメ!!
「ゆうくんに移ったら、嫌……。デートとか出来なくなっちゃうもん」
布団を上げてキスされないように口元を隠す。
「そうやって可愛いことばっか言うんだから」
「……へ?」
ゆうくんが手をついて、ギシッとベッドが軋む音がした。
その瞬間、ゆうくんの唇と私の唇が布団越しに重なる。
布1枚挟んでのキス。
呆気にとられて、スルリと滑り落ちるように布団が膝の上に乗る。
「我慢してる分、風邪が治ったらいっぱいするから覚悟しといてね」
悪戯な笑みに、ペロッと舌を出す姿があまりにも色っぽくて再び心臓が騒ぎ始めた。