可愛すぎて、潰してしまうくらい抱きしめたい。
「ゆう……くん?」
陽葵の声に1度だけ咳払いをして、マスクを顎にずらす。
いかんいかん。
あまりの可愛さに我を忘れるところだった。
意地でも理性を保つとか思っていたクセに。
でもこれでわかった。
好きな子を前にすると理性なんてあったものじゃない。
湯気が出るお粥に“ふー”と息を吹きかけ、少し冷めたであろうところで再び陽葵の前に差しだす。
「はい、あーん」
恥ずかしそうに小さく口を開けた陽葵。
「……」
俺はもう1度息を吹きかけ、お粥を冷ましてから陽葵の前に持っていく。
小さく開いた口はお粥をパクリと食べる。
「……」
やば……。
可愛すぎるんだけど。
めちゃくちゃ癒される。