「食べないと薬飲めないから、少しでいいから食べよ?」
「……うん……」
もう一度陽葵の頭を優しく撫でて、台所に向かった。
買ってきたものを冷蔵庫の中に入れ、お粥を作る準備をする。
38度超えって、相当ダルいだろうな……。
出来ることなら代わってやりたい。
陽葵が好きな味のアイスも果物も買った。
それにプリンも。
早く元気になってくれるといいな。
「……」
グツグツと鍋が沸騰し、蓋を取って弱火にする。
シーンと静まり返るリビング。
窓を閉めているのにセミの鳴き声が聞こえる。
マスクを付けて俺は再び陽葵のもとへ向かった。
机の上に梅干しを入れたお粥を置くと、陽葵は自ら起き上がってて。
「大丈夫?」
「ん……」
そばに腰を下ろし、お粥を少なめに取る。