「陽葵が弱ってるのに1人にできないよ。いつもバイトばっかりで一緒にいられなかったんだ。今日くらいはそばにいさせて?」

「……」


陽葵の瞳から零れる涙を優しく拭う。

「わかった?」


ゆっくり頷く陽葵に、不謹慎だけど可愛いと思ってしまった。




マスクをしてベッドにいる陽葵に目を向ける。


布団の中にいたからか、ガウン無しでキャミソール1枚の姿に目のやり場に困ってしまう。



「とりあえず、その格好じゃダメだから着替えよっか」


Tシャツとスウェットのズボンを取り出して渡した。

またズボンがデカいって言うかもしれないけど、寝るだけなら問題ないだろ。



でも、陽葵はただボーッとそれを眺めるだけだった。



「……着替えられる?」


俺の言葉に首を横に振った陽葵。


「身体が重い……手伝って……」


その瞬間、俺の心臓がバクバク騒ぎ出した。

いや、待て。落ち着け。