「雨降ってなかった?」


その言葉にギクリとする。

雨に当たりましたって言ったら……怒るかな?



チラッとゆうくんを見ると、バッチリ目があって。


「当たったんでしょ?」


うぅ。
バレてる……。



パタンッと冷蔵庫を閉め、ため息が聞こえた。


お、怒ってる……?


ゆうくんが見れなくて、ひたすら野菜を炒める。



「ちゃんと着替えた?」

「う、うん……」

「シャワー浴びた?」

「……」

「浴びてないんだ?……もー身体冷やしたら風邪引くよ?」

不機嫌そうな声にますます振り向けなくて。


「だ、大丈夫……暑かったから……」

「何で?」


怒ってる……!

絶対ゆうくん怒ってる!



「……走った……から、で……」


ひたすら炒め続けた野菜はもうフニャフニャで。

だけど……気まずくて、その手を止めることができない。