「……そーだよ」

これ以上かっこ悪い姿を見せたくない気持ちから両手で顔を隠した。


「えへへ、やったぁ」

俺の上で喜ぶ陽葵は本当に嬉しそうで。
怒るにも怒れない。


しばらくの間この状態でいると、小さい寝息が聞こえてきた。

……寝た?


起き上がると、完全に眠っているのか重力に従って俺の身体から落ちていく陽葵。


陽葵を抱きかかえ、寝室に連れて行き再びリビングに戻ってくる。


やっと寝てくれた。

脱力感からソファに倒れ込む。


悪いけど、陽葵の服はそのまま。
その代わり風邪を引かないように布団をかけた。


……はぁ。ほんと、人の気もしらないで。




次の日、記憶がないのかと思えば普通に記憶があって。
顔を真っ赤にして「忘れて!」なんて言う陽葵に意地悪した。

だって……俺のかっこ悪いところも見ただろ?


お互い様だよ。