心臓が飛び出そう。
「あーもう。可愛すぎ」
その言葉に顔を上げると、ゆうくんは天を仰ぐように顔を押さえていた。
「陽葵の言いたいこと、なんとなくわかった」
「え……?」
ゆうくんの顔が近付いてきて、ギュッと目を瞑った。
それは怖いっていう感情じゃなくて、恥ずかしいっていう感情で。
チュッと優しくおでこにキスされた。
唇だと思っていた私は……なんだか物足りなくて。
ゆうくんの長い指が私の唇に触れる。
「ココにして、止まらなくなったら困るから」
その言葉の意味がわからなかったけど、優しく微笑むゆうくんの顔が、なんだか色っぽく見えて……ジュワーッと顔が赤く染まる。
「こんな可愛い奥さんがいたら、将来仕事行きたくなくなるかも」
ギューッと私を抱きしめるゆうくんは、どこか名残惜しそうに思えた。