朝ごはんを食べて、バイトに向かうゆうくんを玄関で見送る。
「終わったらすぐ帰ってくるから」
「うんっ気を付けてね……あっ!」
玄関から出て行こうとするゆうくんを呼び止めた。
「襟が変になってる」
後ろの襟が変に折れてて、それを綺麗に直す。
「あー、顔洗うときタオルかけてたからかも」
普段見ることがない襟足。
透明感のあるミルクティーベージュは、短めの襟足を綺麗に見せて……私に男の人なんだと意識させる。
はうぅ……。
……なんだか、アレみたい。
新婚さんの“ネクタイ曲がってるよ”。
今は後ろだけど、前だったらもっとドキドキしてるのかな……?
「はい、……直ったよ」
「なんか新婚みたいだな」
「え……?」
振り返るゆうくんはどこか照れ臭そうに笑ってて。
私の心臓はドキドキと騒ぎ出した。