ゆうくんは目を逸らして、少し悩んだ後、再び私と視線を合わせた。
「お触りがあるから」
その言葉に胸がドキッとして、まっすぐ私を見つめるゆうくんの顔が見れなくなる。
服を掴んでいる手にはじんわりと汗が滲む。
「陽葵に嫌な思いをしてほしくないんだ」
ゆうくんは私の頭をポンポンと優しく撫でた。
「大事にしたいから」
声まで優しいんだもん。
そんなゆうくんが好きで好きで……大好きで。
胸がキュンとする。
……だから、ゆうくんになら触られても大丈夫なんて思ってしまって。
「わかった?」
「うん……」
「ん。いい子だ」
暗闇の中、チュッとリップ音が聞こえた。
おでこに柔らかい感触。
キスだということに気付く時間はいらなかったんだ。