ゴロンと寝返りをうち、スマホのホームボタンを押す。
別に見るものなんてとくに無いのに、真っ暗な部屋に照らされる光に目を細めた。
その明るさに目が慣れるのは早くて、キュッとスマホを握りしめる。
ゆうくん……もう寝たかな??
気付けばメッセージトークを開いていた。
「……」
“寂しい”そう打っては、消して……。
小さくため息をついた。
たぶん30分くらい経った後だと思う。
【まだ起きてる?】
そう送ったのは。
既読、付かないや……。
寝ちゃったのかな??
諦めてスマホを閉じようとしたとき、既読がついた。
私が送ったくせに胸がドキドキしだして……スマホを裏返しにしてベッドの上に置いた。
隠れるようにバサッと頭まで布団をかける。
その瞬間、コンコンッと壁を叩く音が聞こえた。