「ゆうくんアザラシ!」
「え?アザラシ?」
不思議そうに水槽を覗くゆうくんに、私は指をさした。
アザラシ泳ぐのが速くて見失いそうになる。
「あっち!ほら」
「あ。陽葵、それ違うよ。アザラシって白いやつでしょ?」
白い……?
今、私が見えてるのは焦茶色で。
あ!アザラシって、
「ゴマちゃんだ!」
「そうそう」
「間違えちゃった」
ちょっぴり恥ずかしくて、えへへと笑う。
「何て名前だっけ?」
「アシカな」
そう言って上を見るゆうくんにつられ、私も水槽の上を見た。
「ほら、この上たぶんイルカショーとかやってるプールなんだよ」
ゆうくんの言葉通り、ショーでもやっているのか、イルカが私達の目の前を勢いよく横切った。
その瞬間ジャンプをしたイルカが綺麗に水の中に入り、水中で大きな泡を作る。