車から降りるとクーラーで涼しかった車内と打って変わって、暑い熱気が襲ってきた。
セミの鳴き声に、ジリジリと焼けるコンクリート。
一瞬にして額に汗が浮かぶ。
運転席のドアを閉める音がしたと思ったら、「あっつ」なんて言う声が聞こえた。
眩しいくらい照らす太陽に、両手でひさしを作り、ゆうくんの隣を歩く。
「暑いね」
生地が薄いとはいえ、カーデガン着てくるんじゃなかったかも。
「失敗したなぁ……」
「何が?」
「カーデガンいらなかったかも」
「中に入ったらそうでもないでしょ」
「うーん……」
階段を登りきると影が出来てて、私は両手で作ったひさしを解いた。
水族館の入口前にあるチケットカウンター。
お昼過ぎてたからか思ったより並んでなくて、スムーズにチケットが買えた。
イルカの写真が載ってるチケット……可愛い。