「準備しててね。迎えに行くから」
「うんっ!」
えへへ。
ゆうくんと2人きりって思うとドキドキするけど、嬉しくて、緩んでしまう口元を両手で押さえる。
「ゆうくん家にお泊まりだぁ。嬉しいな」
「こーら、可愛いことしないでって言ったでしょ?」
「いや〜。嬉しいんだもん、今だけは許して」
緩んでしまってる表情を隠すために両頬に手を当てて、駄々をこねる。
「……まあでも、陽葵が喜んでるならいいか」
「やったぁ♪」
ゆうくん家にお泊まりだ。
嬉しいな。
帰ったらもう準備しようかなぁ……。
なんちゃって。
なんとなく窓の外の景色を眺めた。
移りゆく景色と、楽しそうに歩く家族連れがやけにキラキラして見えて。
どうしてかな、胸がワクワクするんだ。
えへへ。
楽しみだなぁ。