アイロンで毛先をフワッと巻いて、鏡の前で何度も何度も自分チェック。
この日の為に買ったワンピース。
淡い色のカーデガンを羽織れば少しは可愛く見えるかな?
「陽葵〜、祐介くん来たわよ」
1階から叫ぶお母さんに返事をして、カバンを肩に掛けた私は急いで玄関に向かう
階段を降りて、真っ先に視界に入ったのは……
「おはよ。陽葵」
ニッコリ笑うゆうくん。
はうっ!?
「ゆうくん前髪上げてる!!」
「今日は陽葵と出かけるからね」
前髪を上げてるゆうくんを見るのは初めてで。
オシャレでいつもより数倍かっこいい姿に見惚れてしまう。
やだ。かっこいい……!
かっこよすぎて、かっこいい以外の言葉が見つからない。
「あらあら。陽葵、今日は随分と可愛いわね?」
「だってゆうくんと出かけるんだもん」
なんてゆうくんと同じことを言ってみたり。