『うん。寂しかった』

「えっ……」


ゆうくんの口からとんでもない言葉が聞こえて、思わず耳を疑った。

ゆうくん……今、寂しいって……言った?


だってゆうくん……。


『何で無言になってるの』

「だ、だって……」

『ん?どうした?』

「お母さんが迎えに来るとき……ゆうくん、私にわがまま言わないのって言ってたから……」

てっきりそういうの、思わない人なんだろうって。

『いや、思ってたよ。我慢してた』


キュン

胸の奥が甘くなる。

その甘さがゆっくりと身体中を巡りはじめる。


『それにあの時は言えないでしょ。付き合ってない人からそんなこと……ましてや男にそんなこと言われたら普通ドン引きするだろ』


「……」

『……陽葵?』

「……」

『おーい。どうした?』

「……」

『もしかして引いた?』


無言の私にゆうくんは心配そうに何度も声をかけた。