『……寂しくない?』
「えっ……」
また、ドキッとした。
今の間が……ずるい。
ゆうくんの優しい声と言い、胸がキュンと音を立てる。
「さ、寂しくないよ」
本当は寂しいけど……ゆうくん、こうやって電話くれるんだもん。
寂しくない。
『陽葵は強いね』
「そんなこと無いよ」
『俺がバイトから帰ったらさ、陽葵いつも“おかえり”って言ってくれてただろ?』
「うん」
ゆうくんが帰ってくるのいつも楽しみに待ってたもん。
まだかなぁって。
『今日それが無くなって、“あぁ、もう陽葵は家にいないんだ”って改めて実感した』
「ふふ、なにそれ。寂しかった?」
ゆうくんが“寂しい”って思わないことわかっておきながら、冗談で聞いてみた。
だって子供みたいだったんだもん。