「??」

振り返ると、棚の上に木製のオシャレな鍵置きが。


「そこに予備のカギ置いとくから、友達と遊ぶときはそれ使って」

「え、でも……」

「遠慮は禁止。俺だって学校とかバイトで家にいない日があるんだから、そーいう日は陽葵も自由に遊びに行ったりしていいんだよ。家にいてもつまらないだろ?」

「それは……そうかも、しれないけど……」

「どーした?何か不満事?」


ゆうくんがいなかったり、私が遊びに行ったりしたら、一緒の家なのにお互い距離があるみたいで昔と全然変わんないよ。

……寂しい。


「陽葵、せっかくの夏休みなのに友達と全然遊べなかったら寂しいだろ?」

「……ゆうくんがいなくても、寂しいよ」


困らせるってわかってるのに。

学校もバイトもどうしようもないのに……。



どうしても“寂しい”が勝っちゃう。