「祐介くん長い間ありがとう。祐介くんさえ良ければまた陽葵と遊んでやってくれると嬉し──……」

「お母さん!!」

背中を押しても尚、振り向いてゆうくんと話すお母さんに、私は遮るように言葉を被せた。

もうっ。恥ずかしいって……!


「帰るよ!」

「はいはい」


諦めたお母さんは玄関から出て行く前に1度だけ振り返った。


「でも本当に助かったわ。ありがとう祐介くん」

「いいえ。俺も楽しかったので」


2人とも微笑むように笑って、お母さんは玄関から出て行った。

私もお母さんに続いて外に出ようとすると、

「陽葵」

後ろから優しい声で呼ばれる。


??

「どーしたの?」

「また連絡する」


フッと優しく笑うゆうくんに胸がドキッとした。


「う、うん」


ゆうくんが私の彼氏だと思うと、ドキドキしてまともに顔が見られない。