ゆうくん家の玄関先で、お母さんが挨拶をする。
「祐介くん、本当にありがとね」
「いいえ。こちらこそ」
微笑むゆうくんをジーと見つめると、私の視線に気付いたゆうくんが声をかけてきた。
「ん?どうした?」
「んーん。何でもない」
ゆうくん……私の彼氏、なんだよね。
そう思うと嬉しくて。
ふにゃんと顔がニヤけてしまう。
えへへ。
「もうこっちには帰ってこないの?」
「うーん……。夏休みに入ったら帰ろうかなって」
「え!ゆうくん帰ってくるの!?」
ゆうくんお母さんと会話してたのに、“帰る”と言う言葉にすかさず反応してしまった。
「少しだけな」
ゆうくんの大きな手が、ポンッと私の頭の上に乗る。
少しだけでもゆうくんが帰ってきたら、毎日会いに行って、どこか遊びに行きたい。