「またきちんと乾かしてない」 「え……?」 ゆうくんの手が私の髪の毛をすくい上げる。 「あ……次、ゆうくんが入るかと思って急いで乾かしたから……」 「ちょっと待ってて」 そう言って立ち上がったゆうくんは、ドライヤーを持って戻ってきた。 「風邪引くだろ?はい、前向いて」 私の身体を強引に前を向かせ、ゆうくんはドライヤーのスイッチを入れた。