「何が?」
「料理ができるって人って、なんか大人っぽくてかっこいい」
ちょっとだけ想像しちゃったんだ。
ゆうくんが料理してるところ。
絶対かっこいいだろうなぁ。
ゆうくんの彼女が羨ましい。
「ハハッ、ありがと」
勝手に想像してちょっぴり寂しくなって、
「んーん」
そんな返事しかできなかった。
「陽葵は料理できるの?」
「えっ……ま、まだ練習中……!」
料理ができない女って思われたくなくて咄嗟についた嘘。
全然できないってわけじゃ無いけど、クラスメイトの料理ができる女子に比べたら私なんてまだまだ全然。
家庭科の時間だって千切りとか早く出来ないし、いつもその人の指示に従ってるくらいだから……
せめて包丁が上手く使えたらなぁ。
「練習中かぁ。陽葵の手料理気になるな」