「な、にやってんだよっ……!」
その手を掴んで、跳ね除けるように払った。
触るな。
声かけるな。
陽葵を乱暴に扱うな。
「……」
怒りの感情を持ったまま、もう1度光瑠くんを睨んだ。
「……何でそんなに余裕なさそうなんすか?」
「……は?」
「陽葵は“妹”なんすよね?」
「あぁ。大事な妹だ」
「大事って?預かってるから大事なんですか?」
本当のことが言えない自分に、
隠してる自分に、
グッと言葉が詰まった。
「さっきから何が言いたいんだ?」
「祐介さんって彼女いるんすか?」
「失礼だけど、そんなこと君には関係無いよね?」
「もし、もしいるなら……陽葵を弄ばないでください」
何なんだ。コイツ。
陽葵と一緒いるからって自分が優位に立ってるとでも言いたいのか……?
弄ぶってなんだよ。
腹立つ。