「ごめんな、陽葵にため息ついたんじゃないよ。また取ってやるから、そんな顔するな……」
……ダメだ。
抱きしめ返す陽葵が可愛すぎてキツい。
我慢出来なくなりそう。
「光瑠くん、俺の大事な陽葵に意地悪しないでもらえるかな?」
陽葵に触れてほしくない思いから、少しだけ強めに光瑠くんを睨んだ。
私情を挟むとか、なんて大人げないんだろう……俺は。
「……はい」
良い返事ではなかったけど、もう大丈夫だろう。
それより陽葵から離れないと、俺がまずい。
離れようと手を離すが陽葵がくっ付いたまま離れない。
「陽葵、どうした?もう意地悪しないって言ってるぞ?」
頼むから今は離れてくれ。
あっちゃんって言う子が陽葵の顔を覗く。
「ひーま、どうしたの?」
「……」
どうしたって言うんだよ、陽葵。