陽葵に触るな。近づくな。


そんな事言えるわけもなく、言葉を飲み込んだ俺は溜め息を吐いた。


こいつ、陽葵の彼氏なのか……?



「溜め息……つかないでよ……」

「……え?」

気のせいか、陽葵の声が震えてる気がして。


「ゆうくんにとってそれだけの事かも知れないけど、ゆうくんが取ってくれたウィンナーなの……。他の人にあげたくなかった……!」


バカ。


なんだよ、ウィンナー1つくらいで。

そんなのいくらでも取ってやる。


可愛すぎるだろ。


あぁ……必死な陽葵とか、あいつの存在を考えたら我慢とか無理。


俺は陽葵をギュッと抱きしめた。


初めて自分から抱きしめ、陽葵の柔らかくて小さい身体に妹じゃない“女”を感じる。


陽葵が愛しくてたまらない。