気付いたら脱衣所にいるし、顔は真っ赤で涙目だし、おまけにあんな声出すんだもんな。
インターフォンが鳴らなかったらって思うとゾッとする。
だから、これ以上変な気を起こさないように……陽葵から一定の距離を保つことにした。
自分の中で“ここまでなら”って、許せる範囲を作った。
無理なんだ。
今までが今までだっただけに、距離が近過ぎる……。
「その前に俺、3つも歳が離れてるんだ。無理だろ」
「10離れてるんだったら厳しいけど、たかが3つじゃん。そんな変わんねぇよ」
たかが……ね。
そんな簡単なことじゃ無い。
3年の差は大きい。
俺の知らない陽葵は数えるほどある。
学校での事。交友関係。
そして……男の存在。
“急に優しくなった”とか言ってくるから、今日来てるあの光瑠って子の存在が……気になって仕方ない。
絶対、陽葵に気があるだろ。