ドキッ


ズルい。ズルい。


今日のゆうくん……なんかズルい……。


知らないゆうくんを見て、ドキドキする私がいる……。



「美味そうに焼けてんじゃん。陽葵ちゃんあっちで一緒に食べよ?」

「え……、ゆぅ……くん」


ゆうくんと一緒に食べたくて、チラッと見た。


「行ってきな?すぐ俺も行くから」

「うん……」


テントまですぐ近くなんだけど、隣に並ぶことができない私は蓮くんの少し後ろを歩く。


そしたら、蓮くんは急に私の顔を覗き込んできたんだ。


「っ!」

「陽葵ちゃんって、ほんと祐介の事好きだよな」

「えっ……」

「すっげー寂しそうな顔してるよ?」

「嘘っ……」


確認するかのように私は両手で頬に触れた。


顔に出てたなんて恥ずかしいっ……!