驚いて目を見開けば、口元をクイッと擦られた。


ドキンッ


「ついてる」

「あ……」


恥ずかしい。

その指を舐めることは流石にしなかったけど、そんなことするとドキドキしちゃうのは言うまでもなく。

耳まで熱くなるのがわかる。


「気になる?その男の子のこと」

「えっ……?」

その瞳がやけにまっすぐで。

絡む視線に再び鼓動が加速する。



今は……ゆうくんのことで頭がいっぱい。


ゆうくんの言動にドキドキして……。

怒ってるの?って思ってしまうような、ちょっぴり強めだった指の感触とか。


触れたところを中心に熱が身体中を巡っていく。



「……」


「そうだ、陽葵。今度の日曜日バーベキューしない?」

「バーベキュー?」

急に話を変えてくるゆうくんに拍子抜けして、目をパチパチと瞬きさせる。