「……」
仕方なく、ここはお言葉に甘えてゆっくりエコバッグから手を離すと、光瑠くんは満足そうな表情をした。
「ん。それでいい」
んー……。
なんか、調子狂うなぁ。
それから家に向かって歩き始めた私達。
「……」
「……」
夕方になっても陽が落ちてないから、セミがうるさいくらい鳴いている。
でも、今の私達にはちょうどいいかもしれない。
どうして、こんなにも気まずいんだろう……。
いつもの光瑠くんに違和感を感じてしまって、何を話せば良いのかなって、そればっかり考えてる。
今日の光瑠くん、ほんとに変……。
「ねぇ、光瑠くん」
「何?」
返事はいつもと同じ、ちょっとぶっきらぼうな感じ。
「光瑠くんって、実は双子だったりする?」
「は?」