へへ

嬉しい。


私はゆうくんの服にグリグリと頭を擦った。



「あ、コラ!今汗拭いただろ?」

「嬉しいだけだもーん」


へへ


「ねぇ、ゆうくん。昔みたいに半分こしよーよ」

「あのソーダ味のやつ?よく覚えてるね」

「ゆうくんと一緒に食べたアイスだもん。忘れるわけ無いよ」


頭の中で昔の記憶が蘇ってくる。


日陰に入って2人で食べたアイス。

私、食べるのが遅かったからよく溶けてたっけ。




なんて思い出してたら、背負ってたリュックが急に軽くなった。


「わっ」

振り返ればゆうくんが私のリュックを肩にかけていたんだ。


「ゆうくん重いからいいよ!」

リュックを返してもらおうと慌てて手を伸ばすけど、軽く交わされる。


「これくらい大丈夫」

そう言ったゆうくんは、落っこちた麦わら帽子を拾って頭に乗せてくれた。