「幸ィ、久しぶり」

「あ、ナオー!」


あたしは今、23歳。


「何年ぶりだろ?」

「アレ以来だね」


『アレ』から6年近くが過ぎようとしていた―…。


「幸、今は大丈夫なの?」

「うん、平気」


あたしの時計は『アレ』から一秒も動いてなかった―…。


「ナオは、今雅斗と暮らしてんの?」

「そ。6年間いろいろあったけど、結局一緒だよー」


『アレ』は、あたしの人生にとって、大きな波を与えた。


「思い出にひたっちゃう?」

「いいね?あの頃の話、忘れたくないし―…」