一花は強い口調で言う。全員が目を逸らす中、一花はかばんの中から輸血用のパックと針を準備し始めた。慌ててモニカとナタリアが一花の手を掴んで止めようとする。

「一花、よせ!命を救うために自分が犠牲になるなんて、間違ってる!」

「一花、あなたの体は日本人女性の平均より小さいのよ!大量に血を抜いたら命を落としてしまう!」

モニカとナタリアが泣きそうになりながら説得をし、アルオチも「一花、やめて!」と体を震わせる。クラウディオたちも一花を説得し始めた。

「一花、せめて輸血は病院に光くんを搬送した先でしよう。設備が整っていた方が安心だ」とクラウディオ。

「俺の腕なら、光くんを絶対に病院まで持たせられる。俺を信じて」とヨハン。

「一花が血を抜いたせいで命を落としたら、きっと光くんも悲しむよ」とアルフレッド。

「一花、頼む。言うことを聞いてくれ」とオリバー。

だが、全員に説得をされようとも、一花の顔が変わることはなかった。一花はモニカとナタリアの手を振り払い、睨み付ける。