ヨハンは一花を桜士から遠ざけようとするものの、すぐにナタリアに呆れたように肩を叩かれる。

「早く滑ろうって言ってるけど、ヨハン、あなた滑れないじゃない」

「そうだな。私とナタリアでみんなにスキーを教える予定だったからな」

モニカも白い息を吐きながら言い、ヨハンは悔しそうな顔をしながら一花から手を離す。一花は桜士に申し訳なさそうな顔を向けた。

「本田先生、ヨハンがすみません」

「いえ、気にしてませんよ。それより四月一日先生はスキー初めてなんですか?」

桜士が訊ねると、一花は目を輝かせながら「初めてです!」と言う。一花だけでなく、eagleでスキーの経験があるのはナタリアとモニカだけなのだとも言った。それを聞いて、桜士はニコリと笑う。

「では、僕も教えますよ。こう見えて、スキーは得意なんです」

桜士の提案に、すぐにモニカとナタリアは「コーチは多い方がいいだろう」と賛成し、ヨハン以外は賛成し、桜士は早速一花に教え始めた。