「母さん、父さん。久しぶり」
「蒼永!待ってたのよ!」
「おかえり」
「ただいま。(たくみ)さんと舞子(まいこ)さんもお久しぶりです」


ちなみに、巧と舞子はうちの両親の名前です。
いや、正直今はそんなことはどうでもいい。


「久しぶりだね、蒼永くん。大きくなったなぁ」
「しかも超イケメンになっちゃって!ちょっと咲玖!何ボーッとしてるのよ!」
「…………えっ」


……いやだって、目の前にいるの、蒼永?

私の記憶の中の蒼永は、くりくりしたおめめがかわいい天使みたいな蒼永だった。
どこへ行くにも私の後をついて来るような、口には出さないけど寂しがりやでかわいくて、弟みたいな存在。

だったのに、5年の間にめちゃくちゃ背が伸びている。ほとんど変わらなかった目線はとても高い位置にあり、パパたちよりも身長高いかもしれない。
くりくりの目は凛々しく男らしさが溢れていて……

え、ちょっと待って、本当に……


「――誰っ!?」
「何言ってるの!蒼永くんでしょ!」
「だってママ、別人じゃん!!私とそんなに身長変わらなかったのに!」
「5年も前の話でしょうが」


そっか、最後に会ったの小学生の時だもんね……。すごく大人っぽくカッコよくなっちゃったんだな。


「蒼永…おっきくなったね〜〜〜」


かわいい蒼永がいなくなっちゃったのは寂しいけど、でも。


「久しぶり!会いたかった!」


カッコよくなった蒼永も好き。
やっぱり、久しぶりに会えて嬉しいな――。