「エド!!」
慌ててエドに駆け寄るが、魂の私には声をかける事しかできない。
「エド! しっかりして!」
「う、ううん……」
気がついたのかうつ伏せで倒れていたエドは、ゆっくりと体を転がし仰向けになる。それでも息が苦しそうで、顔色も悪い。
「大丈夫? どうしたの?」
「……」
エドは無言でゆっくりと起き上がり、ソファーにどさりと横たわった。しばらくすると息も落ち着いてきたが、顔色は悪いままだ。私は今回の魔術の事で気になっていた事を思い出し、エドを問いただす。
「もしかして、私がエドの魔力を使っているから?」
「……」
「そうなのね」
「もともと魔力持ちは寿命が短いからね。これでも長く生きた方だよ」
たしかに魔力持ちは普通の人よりも寿命は短いけど、それでも数年の差だったはず。今のエドは45歳で平均寿命まではまだ10年以上ある。
「実は今日君を呼び戻すのに成功したけど、今まで19回は失敗してるんだ」
「19回!?」
「魔力を大きく使うからね。1年に1回だけ。20回目でようやく君に会えた」