私の目の前に跪いたエドは真剣な表情で、私の手に自分の手を重ねる。決して触れる事はできないはずなのに、エドのぬくもりが伝わってくるようだ。
「サラ、僕は君のことを愛してる。次生まれ変わったら、絶対に僕は君を見つける。そうしたら僕と」
「ダメよ!」
「え?」
エドの顔には驚きと失望の色がありありと見えるけど、ここはちゃんと伝えなくてはいけない。
「探してはダメ。私達今は誤解が解けて仲直りしたけど、また生まれ変わったら喧嘩ばかりすると思う。だって生まれ変わったとしても、今の記憶があるかはわからないでしょう? それなら最初から出会わない方が、お互いのためよ!」
エドは30年もの間後悔して日々過ごしてきたけど、私なんて今日聞いたばかりだ。人生経験も少ないから、また同じ過ちを繰り返すかもしれない。生まれ変わってこの記憶が残っていればうまくやれるかもしれないけど、前世の記憶が残っている人なんて聞いたこともない。