「え! キ、キスですか!?」
「嫌?」
「嫌っていうか、その、だって」
「僕と結婚したいって言ってくれた」
「言いましたけど!」
「さっきエドって呼んでくれた」
「呼びましたけど!」
突然のキスしたい宣言もそうだけど、なんだかエドがどんどん子供みたいになっている。
「それに私は透けていますから、できないでしょう?」
「近くで顔を合わせるだけでいい」
しばらく無言で向き合っていたけれど、真剣にこちらを見つめる姿にほだされてしまう。「わかりました。ちょっとだけですよ」と恥ずかしさにうつむいて答えると、エドは嬉しそうに体ごとこちらに向けて近づいてくる。
最初は目を開けてエドを見ていたけど、やっぱり恥ずかしい! それに年を取って15歳のエドと違うとはいえ、私の中ではだいぶあの頃のエドと重なってきている。
「サラ……」
どんどんエドの顔が近づいてくる。さっきは顔が近いとか私に文句言っていたのに、急に積極的になるんだから! あともう少しでエドの顔が重なると思った瞬間、自然と目をつむっていた。